美術商というお仕事

kashima-arts_weblog_SK
(2008年9月13日 17:04) | | コメント(0) | トラックバック(0)

 

はじめて感動した絵画を覚えていますか?

 

はじめて口にした言葉、はじめて聴いた音楽、はじめて恋をした相手。
色々な「初めて」が人生の中にはありますがますが、そのどれくらいを
私たちは大人になった今でも覚えているものなのでしょうか。

 

残念なことに私は初恋の相手の顔さえおぼろげですが、はじめて感動した絵画については今でも鮮明に覚えています。

小学校に上がって間もなくの頃、上野のとある美術館で大々的に開催された西洋美術の展覧会がありました。
親に手をひかれて訪れたそこで私に衝撃を与えたのはピカソのゲルニカでした。

(今思えばそれはリトグラフだったのでしょう。)


小学生の私にとってはゲルニカという響きは、ゲロの仲間のようなものでしたから変なタイトルだと吹き出しました。
何が描いてあるのかなどさっぱり分かりませんでした。ねじ曲がって変な絵だと思いました。

けれど、とにかくその絵にひどく興奮したのを覚えています。

 

ピカソという人物を知ったのもその時でした。
美術に興味を持ったのもこの時からでした。

西洋美術からはじまった私の興味は、紆余曲折を経て今は日本美術へ向かっていますが、
子供の頃のこの偶然の出会いがきっかけで大人になった今でも
こうして美術の世界にいるのだと思うと、とても不思議な気がします。

もしもこれが絵画ではなく音楽だったら、私はロックバンドを組んでいたかもしれないのですから。
リズム感の乏しい自分がロックバンドをしようなどと思わなくて本当によかった...。


人生を左右する幸福な出会いを「感動」と呼ぶのなら、私どものような商売はお客様の幸福な出会いを手助けするお仕事なのかもしれないと、近ごろそんな風に思います。

 

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