本展は終了しました。
この度、加島美術では「安倍安人展―思考する備前―」と「芸術家の書―もうひとつの顔―」ふたつの展覧会を同時開催いたします。
加島美術ギャラリーの1階と2階にそれぞれ会場を設け、時代を超えた芸術家たちの自由自在な表現をご堪能いただける展示となっておりますので、ぜひご高覧ください。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
「安倍安人展―思考する備前―」| 加島美術 2F
本展では、備前焼の巨匠として知られる安倍安人の未発表作品 約40点を展示いたします。
安倍安人は、根底に古典に対する深い見識と洞察を持ち、鋭い美的感覚によって備前焼でしか成し得ない表現の可能性を今も模索し続けています。
備前焼に独特の色彩表現を加えることで生み出される安倍安人の作品の魅力は、まさに唯一無二のもの。世界的な評価も高く、アメリカのメトロポリタン美術館、台北の故宮博物院等にも作品が収蔵されています。
【安倍 安人 (Abe Anjin)】
1938年大阪市生まれ。
1959年現代美術研究所・宮本三郎教室に学ぶ。
1986年岡山県瀬戸内市牛窓町に築窯。
2006年第1回パラミタ陶芸大賞展出品
ニューヨーク・メトロポリタン美術館、台湾・故宮博物院などに作品収蔵
国際陶芸アカデミー会員
【本展に際して】
私のやきものとの出会いは、古陶磁の鑑賞が出発でした。
その当時は、和物の茶道具で、天下の名器に近いものを、実際に手に取ってみる機会がありました。
気付けば、ロクロが回り、完全地下式の穴窯に火が入っていました。
絵を描いていて、疲れを癒すにはこれが一番でした。
その頃から、大きな疑問が出てきた。
それは、楽の長次郎と織部様式の造形はどこから来たか。
どちらも完成された造形で、兎に角一点の持つ造形の個性と焼成へのこだわり。
その完成度への過程は今もみつからない。
この度、この空間で発表できますことは、長年密かに心に決めておりました。
最後になりますが、皆様のご高覧、切に望んでおります。
安倍 安人
「芸術家の書―もうひとつの顔―」| 加島美術 1F
書き手の人間性や生き様が現れる「書」。
類まれな表現力によって生み出される芸術家の書は、書風や時代色などの様式性では語り切れない魅力に溢れています。個性豊かでのびのびとした書は、彼らが無垢な心で書を愛しその魅力に没頭していたことを私たちに伝えてくれます。
須田剋太や棟方志功、勅使河原蒼風をはじめとした芸術家たちの書、約15点を展示いたします。
【出展作家のご紹介】
須田剋太(1906~1990)
戦前戦後の昭和史を駆け抜けた洋画家。中学在学中より画家を目指し、ほぼ独学で洋画を学び光風会、文展、新文展など戦前から戦後にかけて官展で活躍。力強く豊かな表現力は抽象画、具象画の双方に活かされ、書においても優れた作品を数多く残した。『街道をゆく』(司馬遼太郎著・週刊朝日連載)の挿絵を担当したことでも知られる。
棟方志功(1903~1975)
日本を代表する版画家のひとり。ゴッホのひまわりに感銘を受けて油絵画家を志し、後に版画の道に入る。柳宗悦や河井寛次郎らの民藝運動からも影響を受け、文字を画面に入れ、絵と文字を造形的に融合・統合させた独自の表現を確立していく。「二菩薩釈迦十大弟子」など、宗教的主題の傑作を多く生み出した。67歳の時、文化勲章を受章。
勅使河原蒼風(1900~1979)
いけばな三大流派のひとつ「いけばな草月流」を創設した華道家。幼少からいけばなの指導を受け卓越した才能を発揮するも、従来のいけばなにない独創的なスタイルを追求し、自ら草月流を掲げる。いけばなを世界的に通用する芸術に高めることに尽力し、60年にフランスの芸術文化勲章、61年にはレジオン・ドヌール勲章、62年には芸術選奨を受賞。
【開催概要】
「芸術家の書―もうひとつの顔―」/「安倍安人展―思考する備前―」
会期 : 2022年9月23日(金・祝)~10月1日(土) 10時~18時 会期中無休
展示点数 : 「安倍安人展―思考する備前―」約40点
「芸術家の書―もうひとつの顔―」約15点
入場料 : 無料
会場 : 加島美術
電話番号 : 03-3276-0700
住所 : 〒104-0031 東京都中央区京橋3-3-2