本展は終了しました。
本展について
これは書なのか絵画なのか!?
この度、加島美術では、「前衛書」の先駆者、比田井南谷展を開催いたします。
あまりにも先進的な彼の作品は、時代に解されることなく、やがて埋もれてしまいました。当時既に、書芸術のフィールドとして日本のみならず世界を見据えていた彼は、1950年以降その足場をアメリカに置き、アメリカ抽象表現主義者達との交流を持ち、互いに刺激を与えあいます。
彼が自身の思想を形にせんと行きついたのは、―文字を書かない書―。
それを「心線作品」と呼び、毛筆で表現しきれる限りの未知の造形物を創り出しました。下図から丁寧に構成される毛筆の造形は、まさに絵画的ですが、その原点には約三千年続いてきた書の歴史があります。伝承性や着想を具現化する確固たる技術力、芸術作品に必要な要素を毛筆で表現した作品は、今日の前衛書の想像をはるかに超えています。彼は、終戦後発表した「電のヴァリエーション」の英題を–Lightning–としています。中国古典書にあった「電」の一字に惹かれた事は偶然だったとしても、それは、先の未来を予知していたかのようです。是非、会場にてこの未知なる創造物をご覧いただけましたら幸いにございます。
作家プロフィール
比田井 南谷 Hidai Nankoku
- 1912年 神奈川県鎌倉生まれ 名は漸(すすむ)
- 1934年 東京高等工芸学校印刷工芸科卒業
- 1999年 10月15日永眠、享年87
比田井天来、小琴の二男。
父天来について書法を学ぶ、父歿後は書道研究機関「書学院」を継承して数千冊に及ぶ貴重な碑帖の管理にあたり、同時に書学院出版部を再開して良書の出版と啓蒙に努める。1945年、史上初の前衛書「電のヴァリエーション」を書き翌年発表し、書壇に衝撃をあたえる。
東京、ニューヨークなどで個展多数。現代美術展等に招待出品、ニューヨーク近代美術館(MoMA)など著名コレクターが作品買上げ。
またプリンストン、オックスフォード等約20の大学で書道史を講演する。
イベント
トークイベント
東京藝術大学大学美術館館長・教授 金沢21世紀美術館館長 |
天来書院社長 | |
秋元雄史氏 | × | 比田井和子氏 |
2016年6月11日(土) 14:00〜 [会場]加島美術
イベントは終了いたしました。
実演イベント
高橋蒼石氏による南谷愛用の古墨を使用した実演イベントを開催いたしました。
イベントの模様はYoutubeにてご覧頂けます。
トークイベントの内容を収録したDVDを販売中。
展示会特別価格¥1,500(税込)
お問い合わせは加島美術まで
開催概要
NANKOKUー比田井南谷展 ー
- 開催日時
2016年6月11日(土)~7月2日(土)
10:00~18:00 会期中無休- 展示点数
約30点
- 会場
加島美術
〒104-0031 東京都中央区京橋3-3-2
TEL 03-3276-0700 FAX 03-3276-0701
E-mail info@kashima-arts.co.jp天来書院「比田井南谷オフィシャルサイト」