「琳派展ーひきつがれる装飾と簡素の美ー」は終了しました。
多くの方にご来場いただき、ありがとうございました。
尚、会期終了後も出品された作品のお問合せを受け付けております。ご希望作品がご案内できない場合にも、お客様の作家や作品等のお好みをお伺いし、ご希望に沿った作品をご案内いたしますので、どうぞお気軽にお問合せください。
「琳派展ーひきつがれる装飾と簡素の美ー」について
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江戸時代の京都、俵屋宗達から始まった日本画の系譜「琳派」は、約400年にわたって現代まで受け継がれて来ました。2018年にはパリのチェルヌスキ美術館で琳派展が催されるなど、今や世界中の美術ファンを魅了するほどにまで成長した日本の「琳派」ですが、知名度が高まるにつれて、琳派作品の絢爛豪華なあしらいばかりが注目されてきているのも事実です。しかしその真髄は、作品に使われる金箔や銀箔などの贅沢な材料にあるのではなく、卓越したデザインセンスと画技の洗練性にあります。多くの絵師たちが私淑することによって自ら研鑽を積み、時代を超え、その美意識が継承されてきた「琳派」。そんな「琳派」に属する代表的な絵師たちによる作品の中でも、普段金銀の輝きの間で埋もれがちな「もうひとつの琳派」作品に、特に注目した展示販売会を開催いたします。
本展のみどころ
1、琳派作品を特徴づけるデザイン性と美意識
琳派といえば、その華やかな色彩と洗練された構図が織りなすきらびやかさが。最もよく知られる魅力の一つです。今回出品される江戸琳派の代表的な絵師である鈴木其一による「立雛図」などからは、琳派らしい燦然とした色遣いが見て取れます。また琳派の作品は、そのデザイン性の高さから、工芸作品などにも多く応用されてきました。神坂雪佳が図案を起こした蒔絵の硯箱などからも琳派のデザイン性の高さを垣間見ることができます。
2、時間と場所を超えて継承されてきたモチーフ
本展は、華々しくきらびやかなだけではない琳派の側面を多くご紹介いたしております。例えば江戸琳派の大家である酒井抱一による「秋草之図」。秋草は琳派の絵師たちに好んで描かれてきたモチーフです。秋の野の草花のデザイン的な描写や、バランスよく配置された構図は、琳派の装飾的技法の特徴がよく表れています。その他にも桔梗や杜若など、琳派の代表的なモチーフの作品が出展されております。時を経て、同じモチーフを再構築しながら進化してきた琳派の歴史をぜひお楽しみください。
3、 「キラキラ」だけが琳派ではない!琳派絵師たちが描く水墨画の魅力
類まれな構図の感覚や、洗練された少ない手数でモチーフを表現するのはまさに琳派絵師たちの得意とするところ。金銀砂子を多くあしらった華美な作品の影に埋もれがちですが、彼らの実力は、素材がシンプルな水墨画にこそ宿ります。今回は普段埋もれがちな水墨作品もご覧いただけます。尾形乾山による「桜図」は、優しい筆致で描かれた墨の濃淡と、花弁の仄かな彩色が高尚な奥ゆかしさを湛えます。また昨年末に京都の細見美術館で企画展が催された中村芳中による「托鉢図」など、観る者が顔をほころばせてしまうような可愛らしさがある作品も・・。華やかなだけではない洗練された画技と構図感覚が光る琳派の側面をどうぞお楽しみください。
4、貴重な作品の数々が展示ケースなしでご覧いただけます
作品は全てガラスケースを使わずに展示いたしますので、ガラス越しではなく直接ご覧いただくことができます。肉眼で直接見ることでしか感じることのできない独特の質感やその佇まいをぜひお楽しみください。
開催概要
「琳派展ーひきつがれる装飾と簡素の美ー」
- 開催日時
2020年3月20日(金・祝)-3月29日(日)
10:00〜18:00会期中無休/入場無料/販売有
- 展示点数
約25点
- 主な出品作家
尾形光琳、尾形乾山、酒井抱一、鈴木其一、中村芳中、神坂雪佳ほか
- 会場
加島美術
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加島美術