大愚良寛《このみやの…》
小色紙台貼幅 紙本 会津八一・安田靫彦箱書
18×17㎝ / 130×53㎝
江戸時代を代表する禅僧、良寛はその清貧自在な生き方や精神性が今も多くの人を魅了しています。ときに子らと遊ぶ純真無垢さ、自由で豊かな心の在り様は和歌や書によく表われています。本作は、厳かな樫の木に雪が降り積もっていく様子を詠んだもの。清廉で儚い雪と、力強く根を張る木の対比が情緒的で、良寛の目にどれほど世界が美しく映っていたかわかります。のびやかで親しみのある書も作品の魅力です。後世、魯山人は良寛の人柄を体現するような書を評して「真善美を兼ね備えたもの」と記しています。冬に向けてじっくりと鑑賞したい、心が洗われるような作品です。
読み:このみやのみやのみさかにいててたては みゆきふりけりいつかしかへに